子供がまだ小さいときは夜中に泣いて睡眠時間が削られますし、少し成長してもまだ理解力があまりないのでしていいことと悪いことの区別がつかず、怒らなくてはいけない場面が多々あります。
それに比べると小学校の高学年は話も通じるので昔よりは子育てが楽になります。
しかし、小学校高学年を育てるとき特有の悩みもあります。
そこで今回はその悩みやそれに対して気をつけるべきポイントをまとめてみました。
そもそも小学校高学年ってどういう時期?
親の悩みをまとめる前に、まずは当事者である小学校高学年の子供に起こる変化や特徴についてまとめていきましょう。
本人達の気持ちが分かれば悩みの解決策も見えてきます。
①学校の勉強が難しくなる
小学校高学年になると学校の授業の内容が難しくなってきます。
公式が複雑になったり、1度に覚えるべき量が多くなったりとその種類は様々ですが、子供たちにとって負担になることは間違いありません。
そうした変化についていけず、不得意教科ができたり、授業についていけないといった問題が出てくることがあります。
今まで勉強ができないと思ったことがなかった子供にとっては衝撃的なことで、初めて劣等感を持つこともあります。
②大人の体に変わる
小学校高学年といえば10歳ごろですから、体がだんだん大人になってくる時期です。
特に女の子の方が変化が現れるタイミングが早く、急に変化が現れて知識が追い付かず困ったり悩んだりすることもあるかもしれません。
また、ひとりひとり発達は違いますから、周りと比べて、「自分はまだ○○がない」と思ってしまう子供もいます。
そんなときには一通りの経験をしてきている周りの大人が助けてあげなくてはいけません。
③交友関係が広がる
年を重ねるにつれて子供は交友関係を広げていきます。
友達や先輩といった関係の比重が重くなってくるのもこの時期です。
言い換えると親からだんだん離れていく時期でもあります。
休みの日も家で過ごさずに友達と過ごすということが多くなるかもしれません。
④自立したい気持ちと甘えたい気持ちが混じる
小学校高学年は、親から自立したいという気持ちとまだ親に甘えたいという気持ちが混じり合う難しい年頃です。
そのため自分でももどかしいと思ってしまうことがあります。
悩みがあるからお母さんに聞いてほしいけど、でも悩みを聞かれるのは恥ずかしいし・・・と戸惑って結果ひとりで抱え込んでしまうことも。
人生の経験値がまだ少ないので自分の感情をうまく処理できない大変な時期です。
⑤反抗期に入る
子育てをする上で避けられないのが反抗期です。
ある日突然子供が今までにないような言動をするため親はびっくりしてしまいます。
ただし、驚くのは子供自身もまた一緒です。
先ほどから述べているように、この時期は心も体も変化が現れる時期で、情緒不安定になり不安を抱えやすいです。
その不安の行き場がなくなるとつい暴力を振るったり、親に対して良くない口の聞き方をするようになってしまいます。
小学校高学年を育てる親の悩みとは?
子供が自分に起こる変化に戸惑う一方で、それを育てている親もまた悩みを抱えやすいです。
そこでそんな親の悩みをいくつかまとめてみました。
①反抗期に入った子供の扱い方が分からない
親にとって反抗期に入った子供はとても扱いにくいです。
もっと幼い頃にも何でも嫌がるイヤイヤ期が訪れますが、今回は自我がはっきりしている分厄介です。
休みの日に家族でお出かけしようと誘っても行かないと言われたり、話しかけても無視されたりと親はショックを受けてしまいます。
そこで何で言うことを聞かないの!と怒ってしまうと、反抗期の子供にとっては余計に親を遠ざける要因になってしまいますから、親はどう対応していけばいいのか悩んでしまいます。
②言うことがコロコロ変わる
小学校の高学年は子供と大人の間の時期ですから、心もまた中途半端な状態で、情緒が不安定になり言うことがコロコロ変わってしまいがちです。
前はお母さんに悩みを相談していたのに、数日経ってあの悩みはどうなったの?と聞いたらそこまで関わってこないで!と怒られたりすることもあります。
情緒の不安定さに振り回されて、さらにひどい言い方をされて傷つく親が多いようです。
③子供が交友関係の悩みをずっと抱えている
10歳ごろから交友関係もいろいろと変わりだします。
特にはっきり変化するのが女の子です。
女の子特有の仲良しグループが出来始め、その変化に対応しきれず困ってしまう子がいます。
すると、仲のいい子だけでしている交換ノートの中身が気になったり、あるグループに入れなかったりといろいろな悩みを抱えます。
そうした悩みを抱える子供に内心「気にしないこと」と言いたくなりますが、それだけで解決しないことも分かっているので、どういって解決させるのが良いのか困ってしまいます。
④交友関係が心配
交友関係が広がり、友達と過ごす時間が増えるにつれて、親の目が届かない範囲も増え、親は不安になってしまいがちです。
普通の友達なら良いですが、あまり良くない子供と交流していたら、自分の子供も悪影響を受けてしまうので、出来れば交友関係は把握しておきたいもの。
誰と遊びに行くのか聞いて素直に答えてくれる子もいますが、反抗期が来ている子なら「別に誰でもいいじゃん」と言って逃げられてしまうので実態の解明が難しくなってしまいます。
⑤子供の学力が心配になる
今までテストでいい点をとっていたにも関わらず、高学年になって学習内容が難しくなったと同時に子供が点が取れなくて落ち込んでしまうことがあります。
すると励まさないといけなくなると同時に、塾に行かせた方がいいのか、通信教材を始めた方がいいのかと親としての対応を考えるようになります。
また、子供が勉強が苦手だと認識してしまうと宿題をやらなくなったりすることもあり、そういった面で手を焼くというパターンもあります。
小学校高学年を育てる際に気をつけるべきポイントは?
微妙な時期である高学年を育てる際には、どういった対応をしていけばいいのでしょうか?
自分でもまた困惑している子供の強い味方でいられるように気を付けておきたいポイントをまとめてみました。
①10歳を過ぎたら子ども扱いしない
小学校高学年は大人までの道のりをちょうど折り返すときです。
そのためまだ子供の部分と大人の部分が入り混じっている状態です。
そこで親もそれに合った対応が求められます。
怒るときにはただダメという一言で済まさず、なぜダメなのかを冷静に諭すように教えた方がいいでしょう。
また寄り添いすぎずに距離をある程度作ってあげるのもまた愛情です。
親としては寂しいですが、親から子供を自立させることもまた親の役目です。
②同性の親が寄り添う
この時期は体に今まで見たことがないような変化が現れて戸惑うことが多い時期です。
同時に心もまた不安定になり、悩み事も多くなります。
子供の悩みは何でも寄り添ってあげたいですが、子供からすると女性特有の悩みをお父さんに知られるのが恥ずかしかったり、逆にお母さんに悩みを知られたくないという男の子もいます。
そこでこの時期は同性の親がより気にかけて、共感してあげることが大事です。
もし、二人だけの秘密にしてほしいと言われたら、その約束は守りましょう。
③元気がないときは無理に励ましすぎない
高学年になると体の変化についていけず元気をなくしたり、無気力になったりといった現象が起こることがあります。
そんなときには励まして元気づけてあげたいと思うのが親ごころですが、この時期はある程度放ってあげた方が子供にとって心地良い時期です。
悩む子供を見るのは辛いですが、そこは辛抱しましょう。
もちろん、子供の方から相談に乗ってほしいとアクションをしてきた場合は快く受け入れてあげましょう。
④交友関係に気を配る
交友関係が一気に広がる10歳ごろは同時に他人から影響を受けやすい時期でもあります。
そのため悪影響を及ぼすような人と交流させるのは危険です。
どんな友達と交流しているかはしっかり把握しておきましょう。
もしその中に良くない人がいたら親としてきちんと注意すべきです。
その時に、その人と関わってはいけないという言い方ではなくて、その人がしている何がいけなくて、それが自分にどういった影響を与えるのかを丁寧に説明しましょう。
⑤子供の話をしっかり聞く
子供の悩みを解決するカギはいつも子供の中にあります。
そのため、この時期は子供が話すことをよく聞いておきましょう。
もし子供の方から相談をしてきたら手を止めて真剣に聞いてあげましょう。
悩みをすぐ解決するのは難しいかもしれませんが、親もまた一緒に解決していきたい気持ちがある、親はいつでも味方だということをしっかり示してあげましょう。
まとめ
小学校高学年の子育てはそれまでに比べると子供もしっかりしているため比較的楽ではありますが、この時期ならではの特有の悩みもあります。
子供は勉強が難しくなったり、体に変化が現れたり、心が安定しなくなったりと何かと不安になりやすい時期です。
反抗期も親が嫌いというわけではなく、そうした心の葛藤から来ているものです。
保護者もまた大変な時期ですが、子供のそうした変化を受け入れて愛情を注ぎつつ、距離も置きながら見守ってあげましょう。