一般的に家庭と言うと、両親が居て子供が居るという場面が想像されますが、中には片親で育っている子供も居ます。
シングルマザーやシングルファザーという言葉が最近普通に使われていますよね。
片親の家庭は増加傾向にあるそうで、これからも数が増えていくことが予想されています。
今回はそんな片親による子育てが子供に与える影響について調べてみました。
影響への対処法も書かれているのでぜひご覧ください。
片親による子育てのデメリット
テレビ番組でよくシングルマザーの特集が組まれ、片親の苦悩についてよくクローズアップされていますよね。
確かに片親の家庭には一般家庭にはない苦労がたくさんあります。
そこでまず初めに片親による子育てのデメリットをまとめてみました。
①経済的貧困
ひとり親家庭において悩みのタネになるのはやはりお金の問題ではないでしょうか。
夫婦揃っている場合に比べて片親の家庭の収入は単純計算で半分になります。
また、子供が小さい時は長く外で働けませんから、収入は少なくなりがちです。
その収入で子供と自分の2人で暮らしていくのは大変なことです。
このため片親は常にお金の問題と向き合わなくてはいけないというデメリットがあります。
②子供の進学を諦める
子供が居ると養育費がかかります。
小学校から中学校へと成長していくにつれて学校で必要なお金はどんどん増えていきます。
大学に進めば国立でも授業料だけで1年で50万はかかります。
そのため、収入が少ない家庭では子供が勉強が出来ても遠くの進学校には行かせられなかったり、最悪の場合進学を諦めてもらうこともあります。
③精神的に辛い
片親の場合、これからどう生活していけばいいかという不安や子供に苦労させていることから精神的に追い込まれることがよくあります。
しかも、パートナーはいませんから自分一人で悩むことになってしまいます。
それが辛くて泣いたり、ついつい物に当たったりと子供の前で感情が溢れ出してくることもあります。
片親による子育てのメリットとは?
片親はデメリットばかりが注目されがちですが、実は良い面もあります。
そこで意外なメリットをご紹介しましょう。
①親を大事にする
ひとり親家庭の子供は親が苦労する姿を間近で見て育ちます。
そのため、両親が居る家庭の子供よりも、親が苦労して自分を育ててくれたという意識が強いです。
そこで成長した時に親に恩返しをしようと頻繁に会いに行ったり、誕生日にはプレゼントを贈ったりと、大人になっても親への感謝の気持ちを忘れないようになります。
②成功する
片親に育てられた子供は何かとガッツがあることが多いです。
育ててくれた親に感謝しつつ、親を反面教師として自分は環境に負けないように道を切り開こうとするのです。
芸能界で活躍している人には片親に育てられたという人も多く、また大成功している会社の社長は子供時代に苦労した経験をバネにして頑張ったという人も居ます。
一般家庭には見られない独特の特徴ですね。
③しっかりした子供に育つ
親がひとり居ない分、家の用事が子供に回ってきます。
例えば洗濯や家族の料理を作ったり、妹や弟がいるときは親に代わって面倒を見たりと大人並みの仕事をします。
そのため早くから様々な経験を積み、大人っぽくなりやすいです。
また、親の苦労を見てきただけに世の中の事情もよく知っていて、落ち着いていて冷静な性格になる子もいます。
片親に育てられた子供の特徴は?
このように片親による子育てはメリットもデメリットもあります。
しかし、やはり多少はひとり親家庭という環境が子供に与える影響はあります。
そこで片親に育てられた子供の特徴についてまとめました。
①自分の気持ちを言わない
子供は自分の気持ちを何も考えずに言うものです。
例えば、「遊園地に行きたい!」「このおもちゃが欲しい!」など、わがままをたくさん言いますよね。
しかし、片親に育てられた子供は親がお金がなくて困っている様子や休日も働かなくては行けないことを小さい時から理解しているので、そうしたわがままを言いません。
そのため大人になっても自分の気持ちを言い出せないようになってしまいます。
②甘えん坊になる
親は家庭を支えるために仕事をします。
中には2つの仕事を掛け持ちしているという人も居ます。
そのため親が家に居る時間が少なく、親に甘えたい年頃でもその欲求を我慢しなくてはいけません。
その分親が家に居るときはべったりくっついたりしますし、さらに成長して恋人が出来た時に甘えやすいという傾向があります。
③何かしていないと落ち着かない
親に代わって何かと家のことをしていたという子供は家で仕事に追われるため、何かしていないと落ち着かなくなってしまいます。
何もせずにのんびりする時間も人間には必要ですが、そうした時間が苦手になる子もいます。
また妹や弟の世話をしていたという人は何かと他人の世話を焼くという特徴もあります。
④執着心が強い
両親が揃っていた頃に持っていたぬいぐるみをボロボロになっても持っていたり、片親が買ってくれた服が着れなくなっても親が苦労して買ってくれたものだからと手放さなかったりと執着心を見せるという特徴があります。
物を大事にするのは良いことですが、いつまでも昔の思い出に過度にこだわり続けると未来が見えなくなることも。
また、物だけでなく自分に優しくしてくれたり、厳しくしてくれた人に依存するという特徴もあります。
⑤他人に不信感を抱く
片親で育った場合、親の元パートナーのことを恨んで育つ場合もあります。
「どうしてお父さんは僕の家庭にお金を渡してくれないんだろう?」「お母さんが浮気しなかったら私は幸せだったのに」と離れてしまった親に対して不信感を募らせてしまいます。
その結果、他の人を信じられなかったり、何か自分にとって害をもたらすんじゃないかといった悪い前提で見てしまいます。
他人を否定的な目で見ると行きにくくなってしまいます。
片親による子育てで気をつけるべきことは?
片親による子育ては良くない影響を子供に与えてしまいがちですが、事前に対策を練っていればその影響も防ぐことができます。
そこで最後に片親が子供を育てる上で意識すべきことをまとめてみました。
①子供との時間を大切にする
働きに出て長時間家を空けていることが多いと、その分子供は親が居なくて寂しい時間を過ごすことになります。
家庭を守るためですから、仕方がないことです。そこで、子供と一緒にいるときは子供と触れ合う時間を意識して取りましょう。
ご飯を一緒に食べたり、お風呂に一緒に入ったりすればコミュニケーションの時間が増えて子供も嬉しいはずです。
お母さんやお父さんの帰りを良い子にして待っていてくれるでしょう。
②友人に相談する
片親は何かと悩みを抱えやすいもの。
あまりに悩みが積み重なると我慢できなくなって爆発しそうになることもありますよね。
子供にとって親が感情を露わにして暴れるところを見るのは怖いですし、自分もまた将来そうした言動をする原因となります。
そこで片親はこまめに自分のストレスを吐き出すことが必要です。
特に他人に話を聞いてもらって共感してもらえれば分かってくれる人がいるんだと楽になります。
③外部サービスを利用する
話を聞いてもらう以外にも問題を対処できる方法があります。
例えば金銭的な面で言えばひとり親家庭を対象とした給付金を申請すればもらえることがありますし、子供の養育費は無利子の奨学金を借りることができます。
また、子供の面倒を見れないときは外部の託児サービスに子供を預けることが出来ます。
料金はかかりますが、公的な機関であれば料金も安めです。
上手く外部のサービスを利用して出来るだけストレスのない生活を送れるようにしましょう。
④苦労を感じさせない
先程も紹介したように、子供は小さい時から苦労していると親を大事にしたり、成功したりと良い面もあります。
しかし、その苦労が何事にも諦めやすくなったり、他の子を見てどうしてうちだけこんなに大変なんだろうと悲観したりとマイナスに働くこともあります。
そこで子供に苦労を感じさせず、子供らしく無邪気に生きてもらうようにしなくてはいけません。
それでもどうしても子供に家事をさせないといけないこともあると思います。
そういうときは家の事情を説明しつつ、この経験が将来役に立つからとポジティブに捉えられるように教えてあげると良いでしょう。
⑤自分が楽しそうに生きる
子供は親が辛そうにしているのを見ると悲しくなります。
また親の力になれないことを申し訳なく思ったりするものです。
そこで子供に心配をかけてしまわないよう、苦しいことがあっても子供の前では楽しそうに振舞いましょう。
本当は辛いのに楽しそうにするのは大変なので、「子供が居てくれるだけでも幸せ」「大変とはいえ食べるご飯があるのは幸せなことだよね」と何事も前向きに捉える癖をつけていれば自然と本当に楽しく生きることが出来るでしょう。
⑥子供に感謝する
子供は親にとって何よりの宝です。
片親でも頑張れているのは子供が大切な存在だからでしょう。
そこで子供に感謝の気持ちを忘れず、時には「生まれてきてくれてありがとう」と言葉にして伝えましょう。
また、不在の間に家事を頑張っていたり、率先して下の子の面倒を見ていたら、「いつもありがとう」とねぎらってあげましょう。
すると子供は嬉しくてますます家のことを手伝うはずです。
まとめ
片親による子育ては子供の性格や考え方に影響を多く与えます。
しかし、悪い影響を与えないように対策をすることで、片親であるハンデを乗り越えることが可能です。
ひとり親で子育てに悩んでいるという方はぜひ今回ご紹介した対処法を参考にしてくださいね。