
そろばん1級は、4つの連盟すべてで「級位の一番上」にあたる級です。この上はもう段位だけ。学年の目安は小学5〜6年生ですが、大人になってから到達する方もたくさんいます。
ただし「1級」には珠算1級と暗算1級があり、さらに連盟によって種目・制限時間・合格基準がまったく違います。とくに全珠連の珠算1級は必須3種目+選択2種目=5種目で、他の連盟の3種目とは準備量が変わります。
この記事では日商(日本珠算連盟)・全珠連(全国珠算教育連盟)・学校連盟(全国珠算学校連盟)・日計連(日本計算技能連盟)の4連盟について、各連盟の公式サイトに記載された基準を珠算・暗算に分けて並べます。参照元は記事末に載せています。
そして先にお伝えします。どの連盟であっても、1級までたどり着いたことは本当に素晴らしいことです。その理由は後半に書きました。
そろばん1級はどのくらいすごいのか
ひとことで言えば、「そろばんで本物の実力がついた」と言えるレベルです。
- 級位の最上位:4連盟すべてで1級が級の一番上。その先は段位です。
- 新しく覚えることはほぼない:1級は新しい技術を学ぶ級ではなく、習ったことをスピードと正確さで極めるステージ。だから「練習量がすべて」になります。
- 合格基準がきびしい:たとえば日商の珠算1級は300点満点で240点以上(8割)、日計連の珠算1級はかけ算・わり算が満点近く必要です。1問のミスが大きく響きます。
- 計算力と暗算力の証明になる:1級に合格できる力があれば、日常の計算で困ることはまずありません。
【珠算1級】4連盟の比較
| 連盟 | 種目 | 配点 | 制限時間 | 合格基準 |
|---|---|---|---|---|
| 日商 日本珠算連盟 |
みとり算10題 かけ算20題 わり算20題 (計50題) |
各種目100点 300点満点 |
30分 (3種目まとめて) |
240点以上 |
| 全珠連 全国珠算教育連盟 |
必須3種目:乗算・除算・見取算 選択2種目:伝票算・暗算・応用計算から2つ (計5種目) |
1種目150点満点 | 1種目7分 (暗算3分/応用計算10分) |
5種目とも100点以上 |
| 学校連盟 全国珠算学校連盟 |
乗算20題・除算20題・ 見取算10題・伝票算10題 (計4種目) |
各種目100点 総合400点満点 |
乗算10分/除算10分 見取算8分/伝票算8分 |
総合280点以上 (ただし最下点50点) |
| 日計連 日本計算技能連盟 |
かけ算・わり算・みとり算 | 1題10点 | 7分 | かけ算・わり算は各100点以上 みとり算は70点以上 |
いちばん大きな違いは種目数です。全珠連は必須3種目+選択2種目の計5種目、学校連盟は乗算・除算・見取算に伝票算が加わって4種目。いっぽう日商と日計連は3種目にしぼられています。種目が多い連盟は準備の範囲が広く、種目が少ない連盟は1種目ごとの精度をとことん上げる戦い方になります。
制限時間の考え方も違います。日商は30分で3種目まとめて(どの種目から解いてもOK)。全珠連と日計連は1種目ごとに区切って計測します。同じ「1級」でも試験の体験そのものが別物です。
【暗算1級】4連盟の比較
暗算1級は、そろばんを使わず頭の中だけで計算します。珠算1級とは別の資格です。
| 連盟 | 種目 | 配点 | 制限時間 | 合格基準 |
|---|---|---|---|---|
| 日商 | みとり暗算20題 かけ暗算30題 わり暗算30題 (計80題) |
500点満点 | 12分 | 400点以上 |
| 全珠連 | 乗暗算・除暗算・見取暗算 | 1種目100点満点 | 1種目3分 | 3種目とも70点以上 |
| 学校連盟 | 乗暗算30題・除暗算30題・ 見取暗算15題 |
1種目150点満点 (総合450点満点) |
各種目4分 | 各種目100点以上 |
| 日計連 | かけ暗算・わり暗算・みとり暗算 | かけ暗算・わり暗算は1題5点 みとり暗算は1題10点 |
3分 | 1種目70点以上 |
暗算はどの連盟も時間が短いのが特徴です。日商は12分で80題、全珠連と日計連は1種目3分。珠算より瞬間的な処理力が問われます。珠算1級を持っている人でも暗算1級は別の壁に感じることが多い種目です。
※この記事の数値は、各連盟の公式サイトおよび公式の検定試験要項(学校連盟は「全国珠算技能検定試験要項」「全国暗算技能検定試験要項」)にもとづく2026年8月時点の内容です。基準は改定されることがありますので、受験前に最新の要項をご確認ください。全珠連の伝票算・応用計算、学校連盟の伝票算など、当サイトで問題を配布していない種目は教室の先生に用意してもらってください。
連盟ごとの1級と、練習問題
日商(日本珠算連盟)
商工会議所が主催(日珠連が協賛)する、いちばん名前の知られた検定です。珠算1級は30分で3種目まとめて解き、300点満点中240点以上で合格。1級ならではの難しさは、みとり算に答えがマイナスになる補数の問題が出ること、かけ算・わり算に小数や名数(金額など)の端数処理が入ることです。
→ 日商 そろばん1級の練習問題(無料PDF・70回分)/あんざん1級の練習問題(無料PDF・70回分)
全珠連(全国珠算教育連盟)
4連盟のなかでもっとも種目が多いのが全珠連です。珠算1級は必須の乗算・除算・見取算に加え、伝票算・暗算・応用計算から2種目を選択して受験します(審査選択)。5種目すべてで100点以上が必要なので、苦手種目を1つでも残せません。
伝票算(伝票をめくりながら計算する種目)と応用計算の練習問題は手に入りにくいので、教室の先生に用意してもらうのが確実です。
→ 全珠連 珠算1級の練習問題(無料PDF・50回分)/全珠連 暗算1級の練習問題(無料PDF・50回分)
学校連盟(全国珠算学校連盟)
公益社団法人 全国珠算学校連盟(略称:全珠学連)の検定で、文部科学省の後援がついています。試験は奇数月の第4日曜日・年6回。珠算1級は乗算・除算・見取算・伝票算の4種目で、乗算は法と実をあわせて11桁、除算は法と商をあわせて10桁(どちらも小数3位・名数は円未満四捨五入)。見取算は6〜10桁の加減算に補数計算を含み、伝票算は5〜9桁の加算です。各種目100点満点・総合400点満点で、総合280点以上(ただし最下点50点)が合格です。
暗算1級は乗暗算30題・除暗算30題・見取暗算15題で、それぞれ制限時間4分。1種目150点満点・総合450点満点で、各種目100点以上が合格です。段位認定は10段までです。
当サイトの練習問題はかけ算・わり算・みとり算に対応しています。伝票算は配布していないので、教室の先生に用意してもらってください。また学校連盟には準1級・準2級・準3級もあります。
→ 学校連盟 そろばん1級の練習問題(無料PDF・30回分)/学校連盟 暗算1級の練習問題(無料PDF・30回分)
日計連(日本計算技能連盟)
一般社団法人 日本計算技能連盟の検定です。珠算検定は7分、暗算検定は3分で実施され、採点は珠算が1題10点。珠算1級はかけ算・わり算で各100点以上(=ほぼ満点)、みとり算で70点以上という基準で、種目ごとのハードルが明確です。
→ 日計連 そろばん1級の練習問題(無料PDF・30回分)/日計連 暗算1級の練習問題(無料PDF・30回分)
※4連盟の検定はそれぞれ別の資格です。日商の1級に合格しても、全珠連の1級を持っていることにはなりません(逆も同じです)。
1級までたどり着いたあなたへ
ここまで読んでくださった方の中には、いま1級を目指している方、受け終わって結果を待っている方、そして「うちの子が1級を受ける」というご家族もいると思います。
連盟によって1級のレベルは違います。それでも、どの連盟の1級であっても、そこまで来たことは本当に素晴らしいことです。
そろばんは10級や9級から始めて、一段ずつ上がっていきます。途中で必ず壁が来ます。3級の大戻し算でつまずく子もいる。2級で伸び悩んで、何回も落ちる子もいる。やめたくなる時期も、たいていの人に一度は訪れます。
1級まで来たということは、その壁を全部越えてきたということです。何級から始めたかも、何回落ちたかも関係ありません。続けてきた時間そのものが、もう立派な実力です。
25年そろばんを教えてきて、私はこう思っています。1級の価値は「計算が速くなったこと」だけではありません。できないことを、できるようになるまで続けた経験——これがそろばんで一番残るものです。計算はいつか電卓に譲る日が来ても、その経験は消えません。
だから、まだ合格していない方も焦らないでください。1級は「新しいことを覚える級」ではなく「積み重ねた分だけ点が伸びる級」です。練習した量は、必ず結果になって返ってきます。🌸
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1級まで来た人がよく言うのが、「次の目標が見えにくくなった」ということです。段位はありますが、ペースを作るのが難しい。同じ級の友だちが先に卒業してしまうこともあります。
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そろばん1級 よくある質問(FAQ)
Q1. そろばん1級はどのくらいすごいですか?
A. そろばん1級は日商・全珠連・学校連盟・日計連の4連盟すべてで級位の最上位にあたり、その上は段位だけです。新しい技術を覚える級ではなく、習ったことをスピードと正確さで極める級なので、合格には大きな練習量が必要です。合格基準も厳しく、たとえば日商の珠算1級は300点満点で240点以上、日計連の珠算1級はかけ算・わり算で各100点以上が求められます。
Q2. 連盟によって1級のレベルは違いますか?
A. 違います。いちばん大きな差は種目数です。全珠連の珠算1級は必須3種目(乗算・除算・見取算)に加えて伝票算・暗算・応用計算から2種目を選択する計5種目。学校連盟は乗算・除算・見取算・伝票算の4種目で総合280点以上(最下点50点)が合格です。日商と日計連はかけ算・わり算・みとり算の3種目で、日商は300点満点240点以上、日計連はかけ算・わり算が各100点以上・みとり算70点以上。上下ではなく、求められる力の方向が違うと考えてください。
Q3. 珠算1級と暗算1級は何が違いますか?
A. 珠算1級はそろばんを使って計算し、暗算1級はそろばんを使わず頭の中だけで計算します。別の資格です。暗算はどの連盟も制限時間が短く、日商は12分で80題、全珠連と日計連は1種目3分です。珠算1級を持っている方でも暗算1級は別の壁に感じることが多い種目です。
Q4. 日商のそろばん1級の合格点は何点ですか?
A. 日商(日本珠算連盟)の珠算能力検定1級は300点満点で240点以上が合格です。みとり算10題・かけ算20題・わり算20題の計50題を制限時間30分で解きます。暗算検定1級は500点満点で400点以上、制限時間は12分です。
Q5. そろばん1級は何年生で取れますか?
A. 学年の目安は小学5〜6年生です。ただしこれは目安で、始めた時期や練習量によって大きく変わります。大人になってから1級に合格する方もたくさんいます。
Q6. 1級に合格したら次は何を目指せますか?
A. 暗算1級がまだなら暗算1級、珠算・暗算どちらも1級に合格したら段位が次の目標になります。また検定とは別に大会に出てみるのもおすすめです。同じ問題を同じ時間で他の人と解く経験は、検定とはまた違う面白さがあります。
参照元(各連盟の公式サイト)
この記事の種目・配点・制限時間・合格基準は、以下の各連盟公式サイトの記載にもとづいています(2026年8月時点)。基準は改定されることがあるため、受験前に必ず最新の要項をご確認ください。
- 日本珠算連盟(日商):珠算能力検定試験/暗算検定試験
- 公益社団法人 全国珠算教育連盟(全珠連):珠算検定試験/暗算検定試験
- 公益社団法人 全国珠算学校連盟(学校連盟):全国珠算技能検定試験
- 一般社団法人 日本計算技能連盟(日計連):検定試験について
🌸 そろばんをもっと知る・比べる








