そろばんは日頃の授業だけではなく力量を測る試験が存在します。
よく珠算検定○級・○段を持っている人がいますよね。
あれがそろばんの検定試験で得られる資格です。
そろばんの試験は種類がたくさんあり、級や段の数もかなり分かれているため初めて検定試験について知った人は頭が混乱してしまいます。
そこで今回はそろばんの検定試験の基本的な説明についてまとめてみました。
一緒にそろばんの級の種類を学んでいきましょう。
そろばんの検定試験とは?
そろばんの検定試験は、そろばんの実力を確かめる試験です。
そろばんの試験は日本珠算連盟が行っているものと、全国珠算教育連盟が行っているものの2種類があります。(全国珠算学校連盟がおこなっている検定もあります)
学歴、年齢、性別など受験するのに制限はないので、子供から大人まで誰でも受けることが出来ます。
この試験には履歴書にも資格として書く事が出来るものなので、取得していればのちに能力を示すものとして役立ちます。
日本珠算連盟と全国珠算教育連盟の違いは?
そろばん検定を行っている団体は日本珠算連盟と全国珠算教育連盟の二つです。
それぞれのそろばん試験は内容が全く違うものです。
そこで詳しい級の種類をまとめる前に、2つの団体の違いをまとめてみました。
①日本珠算連盟
日本珠算連盟は略して日珠連と呼ばれます。
日本商工会議所と深い関わりがあり、1~6級の日本商工会議所珠算能力検定の実施は日珠連に全面委託されています。
他にも日珠連には段位認定試験や7~10級などの試験がありますが、それは独自に開催しているものです。
日珠連の試験の特徴は計算量が多く難易度が高いことで、日珠連の1級は全珠連での2段に相当すると言われています。
②全国珠算教育連盟
全国珠算教育連盟は全珠連と一般的に呼ばれるものです。
こちらの検定試験は日珠連とは全く違ったものです。
試験内容が多岐に渡るのが特徴で、掛け算、割り算、見取り算に加えて準3級以上になれば伝票算、暗算、応用計算のうちから2つ選び計5種目を受けることになります。
こちらは商工会議所と関わりはありませんが立派な試験で、こちらも資格として履歴書に書くことが出来ます。
そのため資格内容を書くときには日珠連と全珠連のどちらの資格かを明記しなければいけません。
日本珠算連盟の検定試験内容は?
まず日珠連の検定試験の種類や級についてまとめていきましょう。日珠連には3つの試験があります。
①珠算能力検定試験
珠算能力検定試験の1~6級、準1~3級は、どの級もみとり算10題、かけ算20題、わり算20題の合わせて50題が出題されます。
これは全て連なった1つの問題とされており1枚の問題用紙にまとめて出題されます。制限時間は30分で、どこから計算しても構いません。
7~10級の制限時間は20分で、内容は7級と8級がみとり算、かけ算、わり算がそれぞれ10題ずつ、9・10級はみとり算10題、かけ算20題となっています。
なお、9・10級は同じ問題で得点によって級が分けられます。
②暗算能力検定試験
1~6級はみとり暗算20題、かけ暗算30題、わり暗算30題の合わせて80題が出題されます。制限時間は12分です。
7~10級はみとり暗算50題で同じ問題が使われ、合格点によって級が振り分けられます。
③段位認定試験
段位認定試験は初段から十段まであり、種目はみとり算、かけ算、わり算の他に暗算も加わります。
こちらはあらかじめ級を指定して受験するのではなく、取った点数に応じて段が決められます。
全国珠算教育連盟の検定試験内容は?
今度は全珠連の試験内容をまとめていきましょう。
10~15段はみとり算が2種類、9級はみとり算とかけ算があり、それぞれ150点満点です。
4~8級はみとり算、かけ算、わり算があり、こちらもすべて150点満点です。
1級~準3級は3種目の他に、伝票算、暗算、応用計算のうち2種目を選択します。
さらに段位(準初段~十段)では伝票算、暗算、応用計算、開法から3種目を選び、1種目300点満点です。
そろばん試験の合格基準は?
それでは各級のそろばん試験の合格基準を簡単にまとめていきましょう。
①日本珠算連盟:珠算能力検定試験
- 1級~準3級・・・300点満点中240点以上
- 4級~6級・・・300点満点中210点以上
- 7級~9級・・・200点満点中120点以上
- 10級・・・200点満点中60点以上
②日本珠算連盟:暗算能力検定試験
- 1級~7級・・・500点満点中400点以上
- 8級・・・500点満点中350点以上
- 9級・・・500点満点中300点以上
- 10級・・・500点満点中250点以上
③日本珠算連盟:段位認定試験
準初級90点、初段100点、準二段110点と級が大きくなるごとに合格点も上がり、最高の十段は290点になる。
④全国珠算教育連盟検定試験
段位・・・300点満点中、準初段は80点から点数が上がり十段は280点以上。
1級~15級・・・すべての種目で100点以上で合格
日本珠算連盟と全国珠算教育連盟、どちらを受けるべき?
日珠連と全珠連の2つの試験があるため、どちらの試験を受けるべきか分からず困ってしまうかもしれません。
どちらも正式な試験ですからどちらを受けても構いませんが、一般的に難しいのは日珠連とされており、また商工会議所が主催していることからも良く見られるのは日珠連です。
どちらを受験するかは、通っている教室によることもあるので先生に確認してみましょう。
何級を目指すべき?
これまで見てきたようにそろばんの検定試験にはいろいろな種類があり、級もたくさんあることから、一体どの級を目指せばいいの?と疑問に思う方もいると思います。
そこで目指すべき2つの基準をまとめてみました。
①3級
3級はそろばんを習う人のひとつの目標です。
なぜなら、3級はそろばんがなくても頭の中で計算が出来る目安だからです。
そのため3級を持っていれば買い物などの日々のちょっとした計算が暗算で出来ますし、算数や数学の授業やテストでアドバンテージを得られます。
また、履歴書に書いて人事から好印象をもらえるのもこの3級が基準となっています。
そろばんを習う大きなメリットを受けられるひとつの区切りが3級ということが分かりますね。
②1級
1番上の1級もまたひとつの目標となるでしょう。
単純に1番上だからという理由もありますし、1級だとより周りに実力を示すことが出来ます。
1級は6年生くらいで取得できるものなので小さい子供でも目標にして日々の練習のモチベーションにつなげることが出来ます。
目標の級を達成するコツは?
目指す級に関係なく昇級は大変なことです。
そこでそろばんで目標を達成するコツをまとめてみました。
①問題集を繰り返し解く
試験に合格するポイントは、やはり自分が受ける試験内容をマスターしておくことです。
事前に試験の構成や出題される問題の内容を分かっている場合と分かっていない場合では結果に大きな違いが出てきます。
そこで問題集を買って傾向を把握し、対策を考えたら合格点が練習の段階から取れるようになるまでひたすら解きましょう。
練習段階ならいくら間違えてもOKなのでミスがあってもめげずに続けましょう。
②スピードを意識してトレーニングする
そろばんの検定試験ではスピードが大事です。
級が上がるとその傾向は強くなります。
スピードが遅ければ制限時間までに問題が解けず点数が下がってしまいます。
また、時間が間に合わないかもしれないという焦りがミスを生んでしまう可能性もあります。
そこで、スピードを上げるために間違えても良いので早く計算をするという意識を持って問題を解いてみましょう。
また、その際は必ず時間を計り、時間内に全計算が収まるまで特訓しましょう。
③基本を忘れない
そろばんをしている期間が長くなるほど基礎を忘れてしまいがちです。
こちらの方が早くなるからとオリジナルの珠の弾き方をしてしまったりする人もいます。
しかし、基本というのはとても大事できちんと守っている方が長い目で見ると上達の幅が大きいことがあります。
そのため時にはいつもの練習の合間に改めて正しい指の置き方を思い出し、その方法にしたがってゆっくり丁寧に動かしてみたりすることが試験に合格するコツになるのです。
そろばんで上達の壁にぶつかったときは
そろばんを続けているとどれだけ頑張っても力が伸びず試験にも落ちてしまうといういわゆるスランプに陥ることもあります。
そこでそうした壁にぶつかったときの対処法をまとめてみました。
①自分が間違えやすいところを鍛える
力が伸びないからといって闇雲にトレーニングしていてもあまり意味はありません。
むしろこんなに練習しているのにうまくならない!とさらに自分を追い込むことになりかねません。
そんな時に大事なのは自分がどういった問題で間違えやすいのかを把握することです。
試験や練習で間違えたことを見返し、よく間違えている問題を見つけたらそれを集中的にトレーニングしていくことで効率的に上達しましょう。
②他人と比べない
調子が悪いときにさらに追い打ちをかけるのが仲間の躍進です。
同じ教室の子が試験に合格したり、あとから入ってきた子が自分を追い抜かしたりすると落ち込んでしまいます。
しかしそれは一時的なことで、少し経つと自分の方が上の級になるかもしれません。
級は人と比べるのではなく、自分の力を計るものと考えておきましょう。
③少しの上達を見つける
スランプに陥っているときでも、難しい問題が解けたりと少しの上達はあります。
そこでスランプのときこそそういう進歩を見つけて喜びましょう。
また周りから褒められればモチベーションもアップするので、お子様がスランプに陥っているときは親御さんが褒めてあげるようにしましょう。
まとめ
そろばんの検定試験には日珠連と全珠連の2種類があり、それぞれ細かく級や段が分かれています。
試験内容や合格基準もそれぞれ違うので自分が受ける試験はどのようなものか必ず把握しておき、対策をして合格できるようにしましょう。