計算力を高める方法として有名な習い事といえばそろばんです。
早いうちから算数に触れることで計算への抵抗がなくなりますし、大きな桁の計算まで出来るようになります。
また、同じように子どもの数学力を高める塾として有名で人気があるのが公文です。
こちらでも算数に早いうちから触れさせます。
では、子どもに算数の力をつけさせたいときにはどちらを習わせればいいのでしょうか?
それぞれの特徴やメリットなどに触れながらまとめていきましょう。
そもそも公文とは?
公文といえば学習塾として有名で、全国に教室があります。
通ったことはなくても、あの水色っぽい看板をほとんどの人が見たことがあると思います。
教科は小学生は国語、算数、英語の中から選ぶことができます。
何教科学習しても週2回の授業となっており、宿題も無理のない量で出されます。
昔から人気の習い事で、日本のみならず海外でもこの公文式が広まっている国があります。
公文の特徴やメリットは?
それでは公文式にはどういった特徴やメリットがあるのでしょうか?
主なものをまとめていきましょう。
①自分の力で問題を解く
公文では解き方を教えるのではなく、自分の力で問題を解くことを勧めています。
そのため教室では先生が手とり足とり教えるのではなく、生徒が自主的に問題を解くようにしています。
そうしながら高い学力をつけていくことで自分はやればできるという自己肯定感を生むことができます。
すると将来社会に出たときに困難な問題に直面した時も「自分で解決する」という力を発揮できるようになります。
公文はそのように広いスケールで生徒の将来を考えています。
②ひとりひとりの能力に応じた問題を解く
公文式はこの学年にはこの授業といった決まりがなく、年齢や学年に関係なくひとりひとりの実力に応じた教材で学習します。
そのため、まずは楽に解けるレベルからはじめ、「100点が取れた!」「次のレベルに挑戦したい!」という前向きな気持ちを持ちながら勉強を進めていきます。
できる子はレベルが高い問題へもどんどん進んでいくため、小学生でも高校レベルの問題を解く生徒も少なくないようです。
③レベルの種類がかなり細かい
公文の教材は簡単な問題から難しい問題までかなりのレベルが用意されています。
そのため次のレベルまでの壁はとても低くなっています。
つまりあるレベルをこなすのは簡単で、かつどんどんレベルアップしていくことが可能なので勉強を進めるにつれて自己肯定感が生まれていきます。
さらに細かくレベル分けがされていることによって自分にぴったりのレベルで勉強できるというメリットも生まれます。
④かなり早い段階から始められる
公文といえば小学生の習い事というイメージがありますが、実はBaby Kumonという0歳から始められる公文式もあります。
もちろんまだ生まれたての子どもは文字が読めず、数字の概念もよく分かりません。そこで、文字や数に触れることで楽しく学習する習慣をつけることを狙います。
習い事は大体小学生から、早くても幼稚園や保育園から始めるので公文はかなり早くから始める習い事と言えるでしょう。
公文の算数の授業とは?
そろばんとの比較をするために、公文の算数の授業の特徴についてまとめておきましょう。
①週2回、30分程度の授業
先ほども少し触れたように公文の学習は週に2回となっています。
時間は初めのうちは長くて30分程度とかなり短いです。
時間はその日の学習内容によって短くなったり長くなったりします。
ちなみに小学生の算数の月謝は東京と神奈川では7560円、それ以外の地域では7020円です。入会金や教材費は必要ありません。
②5470枚の教材が用意されている
公文の算数の教材はなんと2017年6月時点で5470枚となっています。
数を数えるところから高校数学レベルまで、これだけの数のステップが用意されているのはすごいですね。
たとえば1桁同士の足し算でも、足す数の大きさ、配列のランダムさ、プリント1枚あたりの問題数など、細かい部分でのステップアップが用意されており、生徒に負担がないように計算力を高めることができます。
③目標は高校数学
公文の数学は小学生でも高校のレベルまで達することが目標となっています。
高校の数学につまずき、数学であまり点が取れないことから自分が希望する進路を諦めるということがあって欲しくないといった思いからこのゴールが設けられているそうです。
小学生で高校数学レベルまで達するのは一見難しそうですが、小学生でも理解できるように噛み砕かれているので問題ありません。
実際にそのレベルまで達する生徒も多いようです。
そろばんのメリットとは?
公文のメリットや特徴について知ったところで改めてそろばんのメリットを確認してみましょう。
今回は公文と比較をするという前提でメリットを挙げていきます。
①月々の費用が安い
公文の月謝は7000~8000円ほどですが、そろばん塾は3000~6000円ほどと安めです。
ただし、公文は教材費が必要ないのに対してそろばんは年に数回の検定の受験料や教材費もかかることがあります。
それでもトータルで見るとそろばんの方が安く済むでしょう。
②暗算が出来るようになる
そろばんは珠を弾くだけではなく、頭の中だけで計算をするトレーニングも行います。
そのため日常生活のちょっとした計算をしたり、もちろん算数や数学の授業でもささっと問題を解くことができます。
こうした経験を繰り返すことで数学が出来るという考えを持ち、学習のモチベーションに変えることが出来ます。
③右脳を発達させることができる
通常計算をするときは左脳を使うとされています。
しかし、そろばんでは珠を弾くことで計算をし、暗算をするときには脳でそろばんをイメージして計算することになるので、創造性やイメージを司る右脳が活発になり成長していくのです。
ちなみに指を細かく動かしたり、珠を弾くときのあのパチッという音は脳全体に刺激を与えているので、そろばんは脳全体を鍛えることができる習い事ともいえます。
③情報処理能力がつく
そろばんをしているときは、問題を読み、理解し、珠を弾き、答えを導くといったプロセスがかなりのスピードで行われています。
すると、情報を正しく早く処理していく能力が身につくようになるのです。
現代はたくさんの情報に溢れていますから、必要なものだけを取り入れて自分に落とし込む力が欠かせません。
そうした力をつけられるのは大きなメリットです。
さらに実際の数字を処理する能力ももちろん高く、会社で様々なデータを元に分析するときにもそろばんで培った力が役に立つでしょう。
④実力を資格として示すことができる
そろばんでは年に数回検定試験が行われます。
一般的に3級以上であれば履歴書に書くとイメージアップになると言われています。
ちなみにこの3級とは暗算である程度の計算が出来るようになるレベルです。
どれだけ高い実力を持っていても示すことができなければ勿体無いですから、これは良いメリットと言えるでしょう。
結局、そろばんと公文ではどちらを習うべき?
お互いのメリットや特徴を見てきました。
それぞれ良いところがあり、さらに計算力がつくことや、自己肯定感を持てるところなど、同じメリットもあるので、どちらの方が習い事として優れているとはっきり決めるのは難しいです。
そろばんと公文、どちらを習うかを決めるポイントは?
ではどちらを習うか決める際にはどういったポイントに焦点を当てて考えるといいのでしょうか?
主なものをまとめてみました。
①どんな力をつけさせたいかを考える
まず初めに子どもにどういった力をつけさせたいのかを整理してみる必要があります。
「学校で習う内容よりもレベルが高いことをどんどんさせたい」
「数学だけではなく、記憶力など多岐に渡る能力を身につけて欲しい」など、具体的に並べてみましょう。
そろばんと公文は長所がそれぞれ違うので、より理想に合うものを選ぶのがひとつのポイントです。
②本人がより興味を持っている方を習わせる
実際に教室に通うのは本人ですから、子供がより興味を示したり、習いたいと言い出す方に通わせるのも1つの方法です。
好きこそものの上手なれというように、自発的に取り組むものの方が上達し、結果を出してくれるでしょう。
③実際に親子で教室に見学に行く
なかなかどうするか決まらないという場合には実際に教室に足を運んでみるのがおすすめです。
授業の様子を見ることで印象が変わり、決断もあっさりできるかもしれません。
公文もそろばん教室も体験や見学を受け付けているので、ぜひ親子で行ってみましょう。
④両方習うという選択も・・・?
どちらかに決めず両方習うという選択ももちろんアリです。
お金はかかりますが、それぞれのメリットを受けられると考えると、決して惜しくはないでしょう。
もし始めてみて合わないとい感じればやめることも出来ますし、とりあえず両方始めてみるのもおすすめです。
まとめ
そろばんと公文はどちらも根強い人気がある習い事です。
それぞれ数学の力を上げることができ、その他のメリットも持ち合わせています。
どちらにするかを選ぶときにはどんな力をつけさせたいのかを改めて振り返った上でより適した方を選ぶことや、本人がしたいという方を選ぶのがポイントです。
そろばんでつける力も公文でつける力も素晴らしいので思い切って両方習うという選択もおすすめです。